増えるADD(注意力欠陥障害)その3

前回の続きで、コンピュータの影響についての記載を取り上げたい。「コンピュータで読んだり書いたりすることは、テレビを観ることと共通する部分が少なくありません。テレビもコンピュータも、映像を寄せ集め、バックライト式のスクリーンで映し出し、瞬間的なスピードで映像が変化します。この3つの特性すべてが組み合わさったときには、右半球が占拠され、感情面に影響を与えることになります。これはもちろん、言葉を司る左半球の合理的で調整的な性質とは対照的なものです。さらに、言葉がコンピュータ画面にあらわれると、ノートに同じ言葉を書いたときには起きないような方法で、右半球が働き始めます。事実、コンピュータ画面上で何かを記すときに使われる脳領域と、紙に書くときに使われる脳領域とは異なります。この脳機能の違いは、eメールになると軽率なメッセージを書いてしまうという、不可解とも思える現象にあらわれているでしょう。このような失敗をすると、左半球の前頭皮質に備わっている脳の批評能力が失われてしまったかのように思えてきます。」と記載されていた。

ここでは「この3つの特性すべてが組み合わさったときには、右半球が占拠され、感情面に影響を与えることになります。」とあり、感情への影響→記憶の強化となることから、逆説的ではあるが、記憶には有効ということにもなってしまう。(思考とは別物)また、「eメールになると軽率なメッセージを書いてしまう」とあるが、これは普通に考えても当然だろう、

それはメーラーという慣れないソフトを使い、その使い方やキーボードを使う入力で、違う脳領域を使って文章を書いているのだから、慣れている脳領域が担当して作成するのでは無く、それぞれの領域が協力して行うということで、慣れるまではミスが伴うのは当然だ。

たとえば、リレーを考えてもらいたい、4人で100メートルごとに走る場合、バトンを渡すテクニックが必要だったり、バトン持ち替えなど、色々と気を使うことが出てきて、その結果ミスも生じやすい。下手をすると慣れないうちはひとりで400メートル走るより遅いタイムになるかもしれない。

つまり、メールも同様のことが起きる訳で、それを比較するなら、はじめてノートに文字を書いたときを考えないといけないと思う。はじめての時は当然同じことが起きていたわけだから・・・。

ということで、反論ばかりになってしまったが、すこし肯定意見を書きたい。これは上記は違うものだが、メールの文化や風習面から見て、手紙と違い返事はすぐに出すのがマナーとなっている。ビジネスの世界ではメールをもらってから24時間以内に返信ということも当たりまえになっているので、自分で書いた文章をじっくり読み直す暇がないというのが現実だろう。1日に何十人からもメールをもらった場合、じっくり何度も読み直している暇が無い、そんなことをしていると仕事が進まないので、ある程度のところで送信してしまう。よって手紙などとは異なり、軽率になってくるのは当然だ。それが、思考することを妨げているということにもなるだろう。今の時代は思考より判断になってきているように思う。テレビやインターネットが無い時代は、新聞やラジオで少ない情報を考えて、想像していたのだろう。

しかし現在はあふれる情報を振り分け必要なものを判断して利用しているように思う。そのあたりが集中して思考することから瞬時の判断へと移行しているため、すべてにおいて落ち着きが無いということになっていると思われる。(これはテレビとコンピュータとADDの関連について、この書籍への意見や考えであり、それ以外の要素について今回は触れていないので、誤解の無いようにお願いしたい。)