記憶

記憶の3か条

1、何度も失敗を繰りかえして覚えるべし
2、きちんと手順を踏んで覚えるべし
3、まずは大きく捉えるべし
とあった。1、2、は特に説明は不要のことと思う。また、3、について以下のように説明している。

「ちがいの大きなものを区別できるようになってからでないと、小さいものを区別できるようにならないのです。こまかい事象の差を知るためには、まず一度、大きく事象をとらえて理解することが必要なのです。ドとド#のちがいを学習するためには、まずドとソの区別を覚えるほうが結果としては早く学習できます。」

たしかに、そうかもしれない。ド・ド#・レと順番で覚えようとしても、なかなか覚えられないだろう。脳はあいまいな記憶方法をとっているためこのような手順を踏むことが大切だそうだ。しかも進化論的にいって高等な動物ほど記憶方法がファジーだそうだ。なんか高等になればなるほど下等な動物の記憶方法を求めている気がするのだが・・・・まあ、今後ソフトを作るときにはこの3、をよく考えて作成に生かして生きたい。

年を取ると記憶力が衰える?

「頭脳のはたらきは17歳あたりまでがもっとも活発で、その後は徐々に低下すると世間ではいわれています。これは本当でしょうか。脳を詳細に調べてみると、確かに、神経細胞の総数は年とともに減っていきますが、シナプスの数はむしろ反対に増えていくことがわかります。つまり、神経回路は年齢を重ねるにしたがって増加していくのです。この事実は若いころよりも歳をとったほうが記憶の容量が大きくなるということを意味しています。」と記載されており、うれしいやら、本当か???と思ってしまう。
本当かと思った人は多かったのではないかと思うが、それはこういうことらしい。年齢とともに記憶の種類における得意不得意が変化するが、記憶の種類(仕方)を変えないで、ずっと同じ記憶方法を取った場合、当然昔のようには覚えられないとなるということであった。以下に記憶の階層システムと転記する。

1.エピソード記憶(顕在記憶)
2.短期記憶(顕在記憶)
3.意味記憶(潜在記憶)
4.プライミング記憶(潜在記憶)
5.手続き記憶(潜在記憶)

となっており、5から1へ下から上となる。下の階層ほど原始的な生命の維持にとって重要な記憶で、上は行くほど高度な内容の記憶となる。

より具体的に表現すると、小学生ぐらいまでは意味記憶(名前と内容が矛盾するような気がするが・・・)がよく発達しているので、意味のない文字や絵 や音などに関する記憶力が高いが、より年齢を重ねるとエピソード記憶が完成し理論だった記憶力が高くなるということであった。だから、昔のようにただひた すら覚えるだけのようなものは記憶力が低下したと感じるわけで、それにあわせた手法でやればそれないの記憶力を確保できるということであった。

記憶のメカニズム

引き続き「エブリデイ・ジーニアス「天才」を生み出す新しい学習法」を読んで、面白いことが書いてあったので取り上げたい。

「記憶と関係のある脳の部分は、情動をつかさどる大脳辺縁系に位置しているため、恒久的に記憶される事柄は、実際の必要性よりも感情的な体験と結びついている傾向が強いのです。・・・中略・・・記憶のもつこの風変わりな構造は、私たち哺乳類の祖先にとっては便利なものでした。彼らの目的とは、食料を見つけ、生き長らえ、子孫を残すことであり、そのために強い感情をかき立てる事柄を覚える必要があったからです。より複雑な社会制度とビジネスシステムを持つ人間は、貸借対照表の詳細を簡単に覚えられるほど、記憶力を進化させる時間がありませんでした。」と記載されていた。

なるほどそうの通りであろう。しかし、上記にもあるように現在の人間はかつて無いほどに急激に文明が発展し、記憶するべく事柄が変化してしまってお り、直接的には関連のない事柄を記憶することで、生物個体にとって有利に働くような社会システムを作ってしまっているので、脳が記憶のメカニズムを変化させられないのであろう・・・であるならば、今後は感情に訴えかけるソフトを作るように努力しよう。

記憶できると思えばできる

今回からは「一日一分速脳トレーニング記憶術編―読むだけで「頭」がさえる」多湖 輝著、ワニ文庫を読んで気がついたことを記載していきたい。いつも、これはという内容を探してきさいしているが、以外に簡単なことが大切ではと思い、少し方向性を変えていきたい。

今回のタイトルにもあるように「記憶にとってもっとも大切なことは、記憶できるのだと自信をもつことです。自信がないと、脳細胞の活動に抑制がかか り、細胞活動が低下して、記憶力が鈍くなることは生理学でも証明されています。これを心理学では、『抑制効果』と読んでいますが、自信がない→脳活動が抑えられる→覚えられない→自信がさらになくなる、という悪循環におちいっていくわけです。」とあった。

単純で当たり前とは思うが、言われないと意外に気にしていない気がした。今後は苦手意識を作らないように、まず簡単な事柄から入るようにし、抑制効果を十分考えてソフトを作るほうがいいのだろう。そう、まずはこれなら覚えられると自信を持ってもらうことが大事だろう。

重要なものは最初と最後に

「C・I・ホブランドというアメリカの心理学者が、十二の単語を並べて、どの位置にある言葉がもっとも間違いやすいかを調べたことがあります。それ によると、あやまりがほとんど無いのが第一番目の単語で、以下誤りはしだいに多くなり、七~八番目で頂点に達し、それから急激に誤りが少なくなて、十二番目には二番目のつぎに誤りが少なくなることが確かめられました。これを彼は、『記憶の系列位置効果』と読んでいます。どうしてこのようなことが怒るのかといえば、心理学では、記憶した痕跡が互いに抑制するからだと考えられています。以下省略」

簡単に表現すると「順向抑制」と「逆行抑制」があり、さきに覚えたものは後のものを抑制し、後のものは先のものを抑制するという考えらしい。つまり最初と最後は抑制が片方しかないから覚えやすいが、途中は両方あるので覚えにくいということだそうだ。

はたしてそれだけかと思ってしまう。このことは記憶とは直接関係ない行動でも似たようなことが起こっている。たとえばよく目にするのが、非常に長い エスカレーター(営団地下鉄千代田線 新お茶の水駅など)では、最初出だしで歩いていて、途中で疲れて、エスカレーターまかせ、それで最後にまた歩くというパターンを見る事が多い、これは単に最初は頑張るが途中で中だるみ、最後は気合を入れてもう一度、ということであろう。つまり体力の問題ではと思う。これを記憶や勉強に当てはめると、集中力ということになるであろう。最初は集中していたが途中で飽きて中だるみ、終わりが見えて、もうひと踏ん張り、ということではないかと思う。そう思うと記憶の抑制効果だけではない気もするが・・・。まあどちらにしても、最初と最後に重要な事を持ってくるという事は大切な事のようだ。